2010年5月アーカイブ
院長日記
普天間移設への全国知事会
タイトルについて、調べてみました。
2つの新聞の論調は全く異なります。
沖縄タイムズ
[全国知事会]本土側が声上げる時だ 不公平の放置許されず
「・・・
基地が目の前から消え日米安保の姿が見えなくなったツケである。国民に支持されない安保とは何なのだ ろうか。
県外の人が嫌なのは沖縄も嫌なのだ。県外が反対の主張だけをして受け入れを拒否すれば、また県内に舞 い戻ってくる。それを打ち破るには全国知事会が声を上げるべきではないのか。そうしないと政府を動かすことはできない。
普天間問題を突き詰めれば、戦後65年たっても外国軍隊がこれだけ駐留する日米同盟関係をどう考える か、東アジアの隣国とどう付き合うのか、私たちが生きるこの地域の将来ビジョンをどう描き、日本がどういう役割を果たしていくのかに正面から向き合わざる を得なくなる。
情けなくなるのは、石原慎太郎東京都知事が14日の記者会見で「アメリカとの合議の上でしか選択が許されない」「歴史の経過を眺めれば、沖縄の人は本当 に気の毒だけど、もう一回我慢してください」と発言していることだ。
・・・
政治がもたらした著しい不公平をこれ以上、放置してはならない。本土側が声を上げなければ何も変わらない。」
朝日新聞
普天間知事会--遅すぎたが出発点として
「 日米安保体制による平和と安定を享受しているのは日本国民全体なのに、在日米軍基地の75%は沖縄に集中している。そんないびつな構造をいつまでも放置 していていいわけがない。
・・・
基地のない大阪府の橋下徹知事はきのう、「府民は安全をただ乗りしている」と語り、知事会としても政府から具体的な提案があれば真摯(しんし)に対応す るとの見解をまとめた。こんな機運の広がりは望ましい変化である。
・・・
長い目で見て、日本の安全保障を支える沖縄の負担を全国でどう分かち合っていくのか。普天間が突きつけた不可避の課題だ。」
両新聞が知事会(本土)に望むことを私なりに解釈すると、
沖縄タイムズは、米軍に日本から出て行ってもらうことを主張する知事会
朝日新聞は、基地を受け入れてもらえる都道府県
私は沖縄タイムズが正論であると思います。日本の平和と安定を保証するのは米軍ではなく憲法9条。こう言うと、北朝鮮や中国の脅威などを主張する方もおられますが、それを打ち破るのも憲法9条です。日米が本当の意味で対等の関係になり、武力に頼らない外交関係を作るために、世界の最先端を行く憲法9条の力を活かすことが、今ほど求められている時はないと思います。
さてこの全国知事会に、京都府知事は副知事を出席させたとのことです。私としては知事の本音を聞いてみたいところです。
院長日記
所得税の累進課税強化
「政府と政府税制調査会は、所得税・相続税を見直し、収入・資産の多い人から税をより多く得る方向(累進制の強化)をはっきりさせてきている。
・・・
無駄を削ろう、だが限界がある、では結局消費税の引き上げか。
・・・
税の大きな意義は、市場で多くを得た人から得られなかった人に、また、得る必要のある人に渡すことにある。
・・・
むしろ格差が大きすぎない方が多くの人は自分の仕事にまじめに取り組むはずだ。
・・・
政権の選択とは、基本的にはどんな社会にするかの選択である。公平・平等の方向に行くのか、そうでないか。対立軸をはっきりさせた方がわかりやすい。
・・・」
中抜きで引用しましたが、論旨は分かっていただけると思います。
「負担=消費税増税」という報道があたりまえのようになされていますが、累進制強化、法人税強化、そして社会保険料について言えば企業負担の強化など、これからの社会を支えるための財源の選択は多様です。
「健康格差社会を生き抜く」でも書きましたが、所得格差が健康格差、いのちの格差になっています。私は、格差を少なくするために、立岩氏の「視点」を含め、消費税増税に固執しない論議を活発に行うことが求められていると思います。
医療
在宅専門クリニック
鹿児島で行われた日本リハビリテーション医学会に参加した時に、面白い取り組みをしておられる「ナカノ在宅医療クリニック」の見学をしてきました。
中野医師は10年間で628名中210名を在宅で看取り、末期癌については146名中123名を看取っておられます(最近は末期癌は100%看取り)。「24時間対応ができない在宅医療や訪問看護ステーションは存在意義がない」という考えを持ち実践をしておられますが、訪問看護ステーションとの連携、ICTの活用とコメディカルスタッフとの共同で、楽にできていると言われます。
「キュアからケアへ」「今後は急性期病院の集約化と在宅医療の普及で医療は再生できる」と主張しておられる方でもあります。
私は、「病院医療は急性期病院だけでは成り立たず、回復期リハビリテーション病棟をはじめとする急性期後の入院医療はある」という立場ですが、在宅医療が今後の医療のあり方を変えるという点では、同じ考えであることを実感しました。一見ゆったりとした診療を行いながら、頻繁にかかる電話に対応し、ICTを利用して合理的に処理する姿は、大いに参考になりました。
中野氏が主催するメーリングリスト「在宅ケアネット鹿児島」は、医師、コメディカルスタッフだけでなく、研究者や一般市民の方も入っており、在宅医療だけでなく政治のあり方を含めて極めて刺激的な議論が交わされます。
いろいろな立場の方がおられますので、うなずけない意見もありますが、論点が多岐にわたり問題意識は広がります。関心のある方は参加されてはいかがでしょうか。
院長日記
鯖街道マウンテンマラソン
今日は、午前中は建築関係者の健診。喫煙者が多いものの、以前と比べると禁煙者が増えていました。「タバコ代が上がるから」「吸いにくい雰囲気ができて・・・」。一緒に健診を受ける妻たちは喜んでいました。理由は何であれ、喫煙率が下がるのはいいことです。
午後は、然縁(よんよん)を鑑賞。
その後、5:00p.m.過ぎから走りに行きました。鴨川の出町柳の近く、今出川橋を通りかかったところ、「○○さんゴールです」。マイクを通してのアナウンスが聞こえます。よく見ると、鯖街道マウンテンマラソン(80km)のゴール風景でした。
以前は出町商店街がゴールでしたが、数年前から鴨川沿いに変わっていたのです。
鴨川沿いへ降りて行って見ていると、「門さんですよね」と、声をかけられました。2001年にたまたま一緒に走った方でした。800m級の山を3回通るアップダウンの激しいコースを6時間代で走り抜けられた1位の方も交えて祈念写真を撮りました。
「この大会はスピードを競うのではありません。後ろを振りかえるととてもきれいな光景を見ることができます。360度まわりを見ながら走ってほしいのです」大会の中心を担っている人の話です。私も9年前に見た根来峠からの絶景を思い出しました。
話をしながら、今年の丹後100kmウルトラマラソン、来年の鯖街道マウンテンマラソンに参加すると話してしまいました。
そのためには、本格的に練習をしないと。
院長日記
然縁(よんよん)
今日は、金一志(キムイルチ)韓国伝統芸術院15周年記念公演の「然縁」を見てきました。京都府立文化芸術会館の座席が一杯で、通路に椅子を用意してもらって見ました。
第一部は韓国伝統舞踊でした。私は初めてでしたが、教坊サルプリ舞(キョバンサルプリ)、僧舞(スンム)、長鼓舞(チャンゴチュム)、伽や琴散調(カヤグムサンジョウ)、閑良舞(ハンリャンム)、扇の舞(プチェチュム)と聞いて、分かる人はどれくらいいるでしょうか?
下記日本大学芸術学部のサイトで少しイメージがわくと思います。
日本舞踊と比べると回転が多いと感じましたが、日本舞踊もほとんど見たことがないので、「いいかげんなことを言うな!」と言われそうですね。
http://www.orc-nana.jp/activities/korea/minzoku.html
第二部は「神話」というタイトルで、これが「然縁」なのでしょう。「然縁」は金一志さんの造語です。「混沌とした自然と社会の流れの中にあって、必然とも思える縁で結ばれ育まれてきた生命や、人と人との出会い」という意味のようで、この15年間の京都における芸術院の活動と金一志さんの人生を重ね合わせて創られた舞台です。
第二部で、韓国で有名な伊東柱(ユンドンジュ)の序詩という詩が朗読されましたが、この詩人は、同志社大学で学んでいた1943年にハングル(韓国語)で詩の創作を続けたことを理由に治安維持法違反の疑いで逮捕され、1945年に27歳の若さで獄死しています。この15周年記念公演は伊東柱へのオマージュだそうです。
第二部の後半は、京都に拠点を置く和太鼓集団「祭衆(まつりしゅう)」との共演でした。
韓国舞踊と和太鼓、これがなかなか合うのです。自然と会場から手拍子が出て、一体感あふれる共演となりました。芸術とは縁遠い私の生活ですが、ちょっと気持ちが豊かになった時間でした。
今年は日韓併合から100年。NHKスペシャルで9:00p.m.から「第2回 三・一独立運動と"親日派"」を見ました。
今年は歴史の事実に向かい合い、朝鮮半島との「然縁」を確かめる1年にしたいものだと思いました。
5月8日に京都テルサで行われた障害者自立支援法違憲訴訟勝利集会へ行ってきました。
「障害者自立支援訴訟の勝利をめざす京都の会」と「きょうされん京都支部」が主催で行われ、おそらく700~800人くらいが参加していたと思います。その参加者の規模にビックリしました。
この場で「障害者自立支援訴訟の勝利をめざす京都の会」は「障害者自立支援訴訟の基本合意の完全実現をめざす京都の会」に変わりました。
あらためて分かったのは、当事者の運動の力が障害者自立支援訴訟の勝利の決定的な力になったということです。そのバイタリティーあふれる活動は「障害者自立支援訴訟の勝利をめざす会」 のホームページを見るとよく分かります。
原告団・弁護団と国(厚生労働省)との「基本合意文書」(2010.1.7.)には、「速やかに応益負担(定率負担)」を廃止」「障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施」「障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するもの」「応益負担(定率負担)の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、原告らをはじめとする障害者及びその家族に心からの反省の意を表明するとともに、・・・」とあります。
画期的な内容ではありますが、ここで疑問なのは、「基本合意文書」で徹底的に否定された応益負担(定率負担)が、なぜ医療保険や介護保険では当たり前に行われているのかということです(医療保険は3割負担、介護保険は1割負担と低率負担)。日本の社会保障は、まだまだ「基本的人権の行使」という段階ではなく、障害者福祉分野だけが突出した状況です。
京都民医連はこの運動に物心両面で支援してきましたので、参加した私が副会長として来賓あいさつをしました。障害者自立支援法違憲訴訟勝利と「会」の発展のお祝いとともに、日本の社会保障全体が「基本的人権」としてしっかり位置づけられるようともに頑張りましょう、と訴えました。
会場で発売されていた「どうつくる? 障害者総合福祉法--権利保障制度確立への提言--」(かもがわ出版)を買い、後で読んでみて全体像がよく分かりました。
共著であり著者により問題意識は異なります。しかし障害者福祉分野だけが、他の分野に比して突出した状況であることは確認できました。
「社会福祉基礎構造改革」の名のもとに介護保険制度が導入され、そこでは現金給付、応益負担の原則が行われました。これを障害者分野で導入したのが障害者自立支援法でした。さらに保育制度改革では、市町村に保育の実施義務がある現在の公的保育制度から新保育制度案への転換が決められています。これらは「福祉サービスの商品化」「公的責任の後退」をもたらします。
恥ずかしながら、私は保育と「社会福祉基礎構造改革」との関係は考えたことがありませんでした。大いに関連しており、人を対象とする仕事はすべてつながっていると、実感しました。関係者必読の本だと思います。
ちなみに、障がい者制度改革推進会議議長代理の藤井克徳氏の記念講演「私たちが今、新しい障害福祉の地平を切り開く」(内容はすばらしいものでした)で、キーワードとして紹介されたものに下記があります。
大いに学習をして、「権利としての社会保障」が実現できるように頑張りたいと思います。
2006年12月に障害者の人権保障に関する初めての国際条約である「障害のある人の権利に関する条約」(障害者権利条約)が国連の会議で採択されました。
障害者権利条約の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者制度の集中的な改革を行うため、内閣に設置することとしたもの
私は「地域のことは地域に住む住民が決める」ことには同意しますが、自治体間格差は容認できません。
院長日記
ブログ再開
ご無沙汰しています。
京都府知事選挙が終わって4週間近くになります。復帰のための 「リハビリ期間」も終わり、もうすっかり医師の生活に戻りました。
今でもいろいろな方から声をかけていただき本当にありがたいことだと思っています。
この間冷静に考えてみましたが、あらためてこのブログを続けようと思います。それは、京都府政をはじめ世の中のありようをきっちり監視していくことが、この間ご支援いただいたみなさんに対する私の責任だと思うからです。
とはいえ、仕事をしながらですので、頻度は以前よりはずっと減るだろうと思います。そのあたりは大目に見ていただければと思います。双方向のやり取りは歓迎ですが、おてやわらかにお願いします。










