2010年6月 8日

院長日記

水俣病検診

66()に大阪で第15回水俣病検診が行われました。この検診は昨年7月の「水俣病特措法」や今年4月の「救済措置の方法」閣議決定を受けて、申し込みが殺到している水俣周辺出身者の診察希望に応えるために行われたものです。


61人の症状を持っている方が受診され、医師14人、看護師17人、事務20数名で行いました。


と書くと「何と豪勢なスタッフで」と思われるかも知れませんが、問診(どこで生まれて魚をどれくらい食べていたか、今どんな症状があるか、・・・)にも診察(神経所見を丁寧に調べる必要あり)にも時間がかかります。午前9時から午後3時くらいまでたっぷり時間をかけて、40人以上が水俣病と診断されました。


私が診た人の中には、脳梗塞、糖尿病などいろいろな合併症を持っている方がおられました。水俣出身であること、魚介類をたくさん食べておられたことを聞かないと、そうした合併症による症状と間違えそうになります。一方で典型的な症状を持ちながら、これまで全く放置されてきた、あるいは身内や近所に配慮して言い出せなかった方もおられます。


「水俣病特措法」には、前文で「公害健康被害補償法に基づく判断条件を満たさないものの救済を必要とする方々」とあり、対象者を水俣病と認めるものではありません。また加害企業であるチッソの責任逃れを許す「分社化」を盛り込んでおり、3年以内の幕引きを図るものとなっており、大きな問題があります。


今回の受診者の中には裁判で認定を求める方もおられます。まだ診察を希望される方が100人以上おられ、7月にも大阪で検診を行います。私の病院の外来にも、診察を希望される方が来られます。


水俣病は水銀で汚染された地域ぐるみの病気です。公害の原点でもあり、二度とこうした問題を繰り返さないためにも、患者切り捨て、チッソの責任逃れを許すわけにはいきません。

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