2010年7月 1日

院長日記

長時間労働者への面接指導

今日は、私の病院が産業医契約を結んでいる建設関連会社で長時間労働をしている人たちへの面接指導でした。私は産業医としてこの数年間面接しています。


職種としては施工管理に携わる人たちが多く、面接指導の「常連さん」もいます。

共通しているのは、睡眠時間が短いこと。4〜6時間の睡眠です。意外と眠くないという人が多いのです。20〜30歳代がほとんどで健診結果は正常が多いです。しかし喫煙者が多いのは気になります。ほとんどの人は、自分の労働はこんなものと考えています。


ー残業を減らす方法はないですか?ー

「会社に考えてもらうしかありません」

ー具体的には?ー

「人を増やすとか・・・、でも今の経営環境では無理ですね」

ー割り切った仕事の仕方はできませんか?ー

「・・・」

よくある応答です。


改正労働安全衛生法では「事業者は、労働者の週40時間を超える労働が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められると きは、労働者の申出を受けて、医師による面接指導を行わなければなりません。」とあり、今日の面接はこれに基づいて行われました。


2001年に脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準が改訂され、「発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、 業務との関連性が強いと評価できること」とされました。こうした長時間労働をしていた人が突然死した場合、ほぼ自動的に「過労死」と認定されるわけです。


長時間労働者への面接指導チェックマニュアルは公開されています。


建設労働者だけでなく、医師も当直明けに仕事をするのは当たり前でした。しかし私の病院では、当直明けの午後は休みを原則にしています。いずれは医師も8時間労働が当たり前となり、看護師と同じようにシフト勤務にしなければならないと思います。


そのためには、医師数は1.5倍にすることは急務です。同じことが、長時間労働が当たり前と思われている分野で求められます。息詰まる今の時代では夢物語と思われるかもしれませんが、いずれはそれが当たり前と考えられる時代が来るでしょう。一方で過労死を生む長時間労働、一方で仕事がない社会はあまりにも異常です。

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