2010年10月アーカイブ

2010年10月28日

院長日記

京都民医連学術運動交流集会

今日は京都民医連学術運動交流集会。

記念講演は、都留文化大学後藤道夫教授の「貧困・格差の拡大と医療」。興味深いところを紹介すると、

相対的貧困率の落とし穴は、平均年収が下がっているので年収の中央値も下がり、収入が減っても比率が低く出てしまうこと。

貧困拡大の背景は、失業・雇用保険給付なしの増大、フルタイム・自立生活型非正規増大、低処遇男性の増大、若年雇用の底抜け、半失業の蔓延。どれも納得できる。

注意すべきは、十分な失業保障は、半失業を失業と完全就業に分離すること。この失業率上昇は容認すべきということ。欧州の方が日本より失業率が高いが、十分な失業補償がなされているので、日本よりずっとマシなのだろう。

これまでは大企業を元気にさせれば何とかなったが、90年代後半からそれが破綻した=日本型雇用の破綻。労働市場を作り直す、生活保障を作り上げるしかない。

社会保障需要が増大している。それは、収入を増加させることが必要、中山間地で住めるようにすることが必要、高齢化・女性労働率は上昇している、社会的弱者の処遇向上が必要、個別的ケアの必要性が増大している、ことなどで分かる。

医療、保育、教育は現物給付。介護保険、障害者自立支援法は現金補助方式。今保育は介護保険型へ変えられようとしている。介護保険で埋められた外堀が、保育でさらに埋められる。医療だけ特別がありうるのか? 保育への連帯が必要だろう。

講演を通じて感じたことは総論の大切さ。我々の立ち位置を確認できる。

一方で、今世の中を席巻している閉塞感を考えると、求められるのは、格差縮小、財源確保、経済成長、グローバリゼーション対策。

さらにもう一方で、必要性から社会保障ができてきたのも事実。裏付けになる財源は何とかひねり出してきたのがこれまでの歴史。あれこれ考えすぎず、必要性を発信し続けることも大切。


その他、「現代社会における困難事例へどう向き合うか」、「医療安全に関わる取り組み」、「医療倫理の課題」、「認知症との関わり」、「糖尿病Up-to-date」、「アスベスト被害の現況と課題」、「高齢社会にむけて、京都民医連の挑戦」などのセッション 、一般演題などなど。学術から運動まで、あらためてたいした組織だと思う。ちょっと自画自賛(笑)。

2010年10月25日

院長日記

左京健康友の会まつり

2010年10月17日

院長日記

第2回きょうと中途障害者の会

今日は、717日に続いて第2回きょうと中途障害者の会

精神障害の方の話 強烈な印象を受けました。

自分は強い人間だった。成功体験が多く、何でもできた。失敗は自分のせいだと思っていた。・・・。そして発症。措置入院。・・・。入退院を繰り返し10年かかって受容したと思う。それにより優等生からサヨナラをした。障害を持っていることを堂々と人に言えるようになった。癒えていく過程を感じた。違う価値観を持っていても、お互いに認め合うことが必要だと思う。認めてくれる場所がないのは問題。連帯の力で生きていく・・・。

ドラマを聞いている感じでした。

薬は発症して23年できっちり飲みだした。精神障害の受容に10年かかったが、人により期間は異なるだろう。生活の中で芝居、詩などの楽しみを経験し、生活の再発見をして、受容できたと思う。

私を含めリハビリ関係者は障害の受容という言葉をよく使用しますが、簡単に使うものではない、とあらためて感じました。

こういう会へ、障害を持つ当事者の方がどんどん参加していただくことが、本当の意味で受容を促進することになると思います。

2010年10月 9日

医療

全国国保地域医療学会

50全国国保地域医療学会が、108日〜9日、京都国際会館で行われました。


全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)などが主催し、「国民健康保険診療施設関係者等が参集し、地域医療及び地域包括ケアの実践の方途を探求するとともに、関係者の相互理解と研鑽を図ること」が目的となっています。主に僻地に位置し小規模な病院、診療所が多いこの施設群がどうなるのか、また地域包括ケアを最初から理念に掲げている団体の動きを知りたくて、2日間参加しました。


結論から言えば、地域住民を中心にしながら、志高く地域包括医療・ケアを実践している団体で、背筋が伸びる思いでした。


国保直診開設者サミット「国保直診が輝くために」。地に足をつけて、必要な医療を専門の枠を超えて取り組む医師の姿は大したものです。コメディカルとともに、研修医、医学生を巻き込み、住民参加が意識されています。


規模の大きな病院も、僻地にあるため周辺の診療所や施設と連携しながらアクティブな活動をしています。ここと連携している特別養護老人ホームでは6割を施設で看取っています。こうした報告を聞くと、公立がダメと単純には言えません。トップのリーダーシップが大切だとつくづく思いました。税金を投入し、公を見る目が厳しい時代だからこそ、存在意義が問われています。


シンポジウム「地域連携体制の構築」では、ある病院長が、「高齢化率45パーセントの病院の目的は生活自立障害を持つ方を支える地域の力を向上させること。入院ベッドはそのバックアップ」と断言していました。訪問診療、訪問看護、訪問リハなどに取り組み、地域=コミュニティーづくりを実践していました。


一方で、市町村合併によりこれまでの顔の見える関係がなくなった、病院・診療所も合併を余儀なくされた、経営圧力が厳しいなどのさまざまな苦労がいたるところに出ていました。国の補助金も大幅にカットされそうだということがフロアーでなされていました。先進的取り組みをしているところは、身を粉にしてリスク覚悟で医療・介護現場や市町村を守っている、という印象でした。


僻地医療のやり甲斐は、トータルに予防、医療、介護などに関われること。厳しい時代ですので、覚悟が求められるのはやむを得ないけれど、リスクになるのは本末転倒です。


一般演題も興味深いものが多く、肺炎球菌ワクチンの公的補助で、接種率が14倍に上がった町の報告がありました。やはり予防が一番。来年度予算でワクチンの補助が拡大されると報道されていますが、大いに期待したいところです。


京丹後市には小児科医は2人、1人は勤務医、1人は開業医。うまく連携することで、体制の充実、患者の利便性の向上、経営の改善ができています。こんな良循環を地域の中でつくっていきたいものです。


私の病院でも活かせそうな報告もあり、早速取り入れたいと思います。

私たち民医連は「無差別平等の医療と福祉の実現」をめざし、社会に対する存在意義を持っていると自負していますが、この団体もすごいと思います。ここが掲げる地域包括医療・ケアは理念があり格調高いのですが、国の地域包括ケア研究会報告書」保健サービス(健康づくり)の観点が欠落しやたら財政の話が前面に出ており生臭く息が詰まる、と感じるのは私だけでしょうか?


なお、公立病院改革ガイドライン、公立病院改革プランについて、「それは総務省が考えたことで厚労省とは摺り合わせなし」と厚労省役人が発言したのは印象的でした。


参加しながらのツイッターで30回もつぶやいてしまいました。

http://twitter.com/#!/yusukemonkyoto

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