2011年6月アーカイブ

2011年6月12日

院長日記

東日本大震災・原発事故 福祉と防災のまちづくりを考える

今日は伏見革新懇による講演、シンポジウムがありました。

講演は、京大経済学部岡田知弘教授の東日本大震災からみえてきたもの」。限られた時間でしたが、その後のシンポジウムでの発言を含め、印象に残ったのは、

災害は地域性と歴史性がある逃げるのが一番。江戸時代には原発事故は起こらない。原発で致命的な被害(風評被害も)。

災害は弱い環を襲第一次産業崩壊合併の周辺地域の悲惨医療もなくなる

都市部一極集中の問題

今回の震災被害(自然)の多くは津波によるが、産業廃棄物が水で流された問題などもある。

阪神大震災の時、何が行われたか? 神戸空港や湾岸高速道路を優先し住宅再建、商店街、中小企業の再建を後回しにした結果として、人間の復興が遅れ地域経済復興が遅れた。復興市場の9割が域外資本に流れた

創造的復興」が言われているが、これは構造改革路線TPP推進道州制を進めたい、民間企業へ農業漁業を開放したい、という考え。

若狭湾で原発事故が起こったら、琵琶湖の水が汚染され伏見の酒も被害を受ける。

伏見26万人は大きすぎる。地域自治組織設定が必要。まず地域を知ること

伏見の防災マップをよく見ること。地震避難所と水害避難所は違まちづくりがないと災害に対応できない

 

一つ一つの発言が、納得できるものでした。経済、と一言で言っても、結局それを成り立たせているのは地域共同体。それが壊れたのでは、地域に暮らす人たちは恩恵が受けられません。阪神大震災の「復興」がその反面教師。あらためて「地域循環型経済」が重要だと確信しました。

同時に、まちづくりの重要性を感じました。「京都府(市)地域防災計画」はありますが、マニュアルはあくまでマニュアル。それを実行あるものにするためには、近所の顔の見えるつながり、ささえ合いが大切。そう言うと、「自助」「互助」を強調する今の流れに迎合しているように思われるかもしれませんが、根底に公(おおやけ)の役割を明確にした「ご近所の底力」は重要だと思います。それがなければ、これからの超高齢社会は乗り切られません。

 

最後に、私のシンポジストとしてのレジメは以下の通りです。問題意識は、岡田教授と似ています。

<ひと・いのちを大切にする社会の復権を>

1.   3・11東日本大震災がしめすもの

明治維新、終戦とならぶ、時代を画期するできごと

2.   医師の目から見た被災地の現状

災害医療のあり方を問う被害状況

広範な地域、高齢化、医療過疎、原発事故・・・

医療よりも生活支援、介護、リハ(障がい)、心のケア、住宅、コミュニティーづくり、・・・

3.   日本・京都の医療状況

あいかわらず高すぎる国保料、国民健康保険の問題

 受診遅れで死亡者は、昨年全日本民医連調査で71名、京都で 2

介護保険法の本格論議開始「税と社会保障の一体改革」

4.   もし京都で災害が起こったら

「京都府(市)地域防災計画」はあるが、どう機能するか?

5.   人間らしい生活のできる環境づくりを

本当の意味での「地域包括ケア」(医療・介護・福祉・居住)

その基礎となる地域医療体制(診療所、地域病院、基幹病院)

マニュアル・箱物だけでない防災計画

第一次産業(農林漁業)の保全--都市と地方の共存

 

時代を画期するできごとを経験し、これから未曾有の高齢社会・人口減少社会に立ち向かうわけですから、医療・介護などの社会保障、経済政策、エネルギー政策などに対し、日本人全体に「覚悟」が求められていると思います。

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