2011年10月アーカイブ
非常勤講師をしている立命館大学での「リハビリテーション論」。毎年「障がいの概念の変遷:ICIDHからICFへ」と題して、臨床の実例を示しながら障がいについて講義するのですが、今年はWHOが6月9日にWorld report on disability(障がいに関する世界の報告)を発表したので、講義に付け加えようと頑張って読んでみました。
とは言え英語で310ページなので、全部を読むわけにはいきません。ここはというところは丁寧に読みますが、あとは流し読み(ながめているだけ?)になります。でも基本的な考え方はICFに基づいて、「社会参加」を重視しています。
内容は9章で「障がいの理解」「障がいー全体像」「一般的な健康管理」「リハビリテーション」「援助と支援」「環境改善」「教育」「仕事と就労」「今後に向けた勧告」。
実は、障がいの定義は国により異なります。この報告では、いくつかの指標を使用して世界の障がい者率を算出しています。それによれば、世界の人口のおよそ15%は何からの障がいを持ち、2〜4%は重度の障害を持っています。1970年代の10%より増えていますが、これは人口の高齢化や慢性疾患の増加、障がいを判定する方法論の向上などが寄与しているとされています。
目につくのは、先進国よりも発展途上国、女性、高齢者の方が、障がいの発生率が高いことです。またどの国も障がい者の就業率は健常者と比べて低いですが、これも発展途上国の方がより低い傾向です。しかし驚くことに日本はその発展途上国よりも低いのです。
「今後に向けた勧告」も9つあり、「すべての政策、システム、サービスが利用できるようにすること」「障がいを持つ人のための個別のプログラムやサービスに資金を提供すること」「国の障がい者対策、アクションプランを採択すること」「障がいを持つ人を巻き込むこと」「人的資源を向上させること」「十分な資金を持ち余裕を持たせること」「一般の人の認知、障がいの理解を高めること」「障がいのデータ収集を向上させること」「障がいについての研究を強め支援すること」。そして「勧告を行動に移すこと」を呼びかけています。
この報告書、勧告は主に発展途上国向けに書かれていますが、日本については取り入れることが多そうです。私はリハビリテーションの基礎は医学的リハだと思いますが、社会的、職業的、教育的リハなど他の領域も重要だと思います。ここにも書かれていますが、リハビリテーションの目標は、本人と環境整備の両方ですから。








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