2011年11月12日

医療

「舞鶴・日本の医療と社会保障とTPP」

表記タイトルで、本日(11/12)舞鶴社保協主催の学習会で講演してきました。

絶妙のタイミングで、京都新聞の118日付けに「4公的病院「分業」 舞鶴市の医療再編修正案」が掲載されたので、このことを話題にして話をしました。

元々の舞鶴医療再編案は、京都府が昨年1月に「中丹地域医療再生計画」として出しており、舞鶴の公的3病院(医療センター、市民病院、日赤)を再編し400床規模の新病院を作ろうというものでした(京都府案)。ところがそれに異を唱える多々見氏が新市長になり、今回舞鶴市の見直し案を踏まえた公的3病院(医療センター、共済、日赤)は連携し救急医療体制を確保する、市民病院は改修・建替え等の検討を行い療養病床に特化して後方支援を行う、という形でまとまりました(今回案)。両案の3公的病院の中味が異なるのは、共済病院が京都府案の新病院に参加しないと表明したことに起因します(その時の共済病院院長は現多々見舞鶴市長)。

京都府案は大きな病院を作ることで医師を集める条件が高まるが、61億円の財源を捻出しなければなりません。今回案は国の基金25億円を活用すればそれ以上の負担はないが、これまでも連携は行われてきており医師確保の不安は残ります。

舞鶴社保協はどちらかの立場に立つということではなかったようなので、上記を前提にして可能な限りどちらかを選択する条件で挙手を促したところ、京都府案:今回案:どちらでもないは、5:4:1の結果でした。舞鶴市民も意見が分かれるのです。

私はどちらかの立場を推薦することはせず、医療者と地域住民と行政の共同が大切であると述べてきました。正解は1つではないからです。

医師数、特に勤務医が減少していることが中丹医療圏の問題なので、強いて言えば京都府案の方が将来性はあります。しかし専門医だけが集まっても、高齢化が進む地方の医療は守れないので、どういう医師をこの地域で養成するか、とりわけ総合医養成は大きな課題です。医療者にはその覚悟が求められます。行政には新病院から遠くなる人に対して交通手段を確保する責任が出てきます。

とは言え、これから今回案を基礎に事態が進みます。これまで以上に病院間の連携が、医療者やこの案をまとめた行政には求められるのです。徹底した機能分担による専門医の集中や、医師でもある多々見氏の「人脈」による不足する分野の医師確保が必要です。

それでは地域住民には何が求められるのでしょうか? この間この問題について、地域住民が関与できたのは2月6日の舞鶴市長選挙だけでした。今大切なのは、今回案に基づく舞鶴の医療がどうなるのか、住民目線から見た意見をしっかり伝えることだと思います。またこの案が実践された時に問題点が生じたならばその内容も伝える必要があります。今回案をまとめた行政と地域医療を担う医療者はその意見に耳を傾けなければなりません。

その上でやはり病院再編が必要であると判断されたらなら? 「将来的に舞鶴市民病院を除く3病院が上部団体の管理から外れた時に1つに纏めるべき」という立場ではなく、上部団体を説得する立場に立つのが行政の役割でしょう。医師である多々見氏ならできるはずだし、しなければならない仕事だと思います。

なお今日は、この他にも「東日本大震災」「北部医療の課題

」「社会保障と税の一体改革」、「TPPの医療に及ぼす影響」、「受診時定額負担」など、多岐にわたり話をしたので、後半の私の意見はほとんど述べることはできませんでした。これは、その反省も込めて書いたブログです。

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