私の同級生で、アメリカで活躍している医師がいます。その医師が、ある紙面に興味深いことを書いています。
アメリカでは「医療にも市場原理を導入せよ」という主張が強力です。「手術死亡率を公表する→手術を受ける際、患者は死亡率が少ない病院を選ぶようになる→患者が減ると困るので死亡率の高い病院は死亡率を下げる努力をする→どこの病院も死亡率が下がるので、国(あるいは地域)全体の死亡率が下がる」
しかし、死亡率を下げるための一番手っ取り早い方法は、重症患者あるいは(重い糖尿病などの合併症を持つ)難しい患者を避けることです。成績を上げるために患者を選り好みする」という悪しき行為が蔓延する危険があるわけです。
それに対し、手術成績を上げるために互いに知恵を絞り合うことを試みたところ25%の死亡率減少効果がみられたとのことです。病院を巡回してそれぞれの手術を見学。術式の細かな違いに始まって、術前準備や補助療法の相違まで「なぜ君の病院ではそんなことをしているのか?」と、ざっくばらんに意見を交換しあった後、よいと思われることすべてを全病院で取り入れた成果が25%の死亡率減少だったわけです。
競争ではなく協力し合うことで地域全体の医療の質を高めることを示しているわけですが、これはアメリカだけの話ではありません。私の勤務する京都市左京区でも、頻繁に勉強会や情報交換を行っています。それが結果として各医療機関、介護事業所のレベルアップ、そして地域全体のレベルアップに繋がっているのです。それがプロというものだと思います。
もっともなお「成果主義」が蔓延しているのがアメリカなのですが、さて日本はどこへ向かうべきなのでしょうか?








