医療

2009年11月26日

医療

「病院機能評価」が始まりました

私の病院で、財団法人日本医療機能評価機構が行う「病院機能評価」が始まりました。今日から3日間の予定です。これは上記機構のホームページによると、「医療機関の第三者評価を行い、医療機関が質の高い医療サービスを提供していくための支援を行うことを目的」とするものです。2009年11月現在で、日本の8766病院中、2570病院が認定されています。

数100項目にわたるチェックリストがあり、書類審査、合同面接、部署訪問を行い、チェックするわけです。7人のサーベイヤー(審査員=1人のリーダー、2人の医師、2人の看護師、2人の事務職員)が来て行います。今日はサーベイヤーとの顔合わせと書類審査でした。チェックリストを見ていただくと分かりますが、微に入り細に入りかなり整備しなければならないことがあります。

私の病院では5年前に受審し認定(=合格)しましたが、5年ごとに更新が求められますので、今回は再受審というわけです。その時の結果も公開されておりネット上で見られます。

医療を取り巻く環境が大きく変わる時代ですので、チェック内容もドンドン進化し、5年前はver.4(第4版)だったのですが、今回はver.6(第6版)です。

「病院の改善支援」が目的とはいえ、受審する病院にとってみれば、「受験」なのです。医療費抑制政策が厳しくなるこの時代に、かなりのエネルギーを割いて準備しなければ「合格」しません。したがって職員への負担を考えると、あえて受審しない、という選択肢もあり、5年前の受審もずいぶん迷いました。しかし結果的にはこの受審を通してかなり病院の機構やシステムが整備されました。

「総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げていきます」とマニフェストに書いた民主党が政権についたのですが、総医療費を増やすためには国民の合意が必要です。「卵が先か鶏が先か」という問題になりますが、大変な時代であるからこそ、目に見える形で病院の改善を示すことが大切だと思います。

今日はゆっくり休んで、明日以降の合同面接、部署訪問に備えなければ・・・、と思いつつ、今日も遅くなってしまいました。
2009年11月 6日

医療

看護師支援

2009年10月30日

医療

デスカンファレンス

と書くと、デスカンファレンスって何? と言われそうです。

デス(death)=死亡、カンファレンス(conference)=協議会・検討会なので、死亡患者の検討会のことです。
私の病院では、亡くなられた方は毎週金曜日の夕方に、全員の経過が主治医から報告され、検討されることになっています。今日は対象者が4人でした。
私は他の用事があり、3人目まで参加しました。

3人は、それぞれ70歳代、80歳代、60歳代の方でした。
1人目の方は、肺炎は治癒したものの腎盂腎炎から敗血症になり死亡され、2人目の方は重症の肺気腫で呼吸不全により死亡されました。この2人は経過が長く全身状態がよくない状態が続いたので、DNAR指示がでていました。

DNAR (do not attempt resuscitation) は、狭義の終末期にある患者に対し、本人(または本人の意思が推定できる場合はその意思に基づき家族等)の希望で心肺停止時に心肺蘇生術を行わないことを指します。この指示は、担当医1人の判断にならないよう、私の病院では複数の医師と看護師の合意がないと出せない仕組みにしています。

もう1人は、原因がはっきりしない急激な病状変化で蘇生処置をしたものの亡くなられた方でした。この方を含めて2人の方の剖検(死体解剖)が行われました。最近は診断機器の進歩により死因が分からないことが少なくなってきたこと、家族の方の承諾が得にくくなっていることから、なかなか剖検をすることが少なくなってきただけに、1週間で2人の剖検は珍しいです。

カンファレンスでは、診断、治療方針が正しかったのか、DNARは正しい手順でとられていたのか、教訓とすべきことは何か、などいろいろと話がなされます。こうした話し合いが、明日以降の診療の中に活かされるわけです。大切なことなので、今はデスカンファレンスやDNARの仕組みを持っている病院が多くなっています。

何年たっても、こんな例は初めてだ、こんなこともあるのか、と思うことがしばしばあります。
集団の検討は極めて大切です。
2009年10月 4日

医療

わが家の新型インフルエンザ

何かと世間を騒がせている新型インフルエンザ。徐々にではありますが、京都でも増えてきており、私の病院にも毎日迅速キットで確認できる患者が1〜4人くらい来ます。ほとんどが20歳前後の学生ですが、時に中年から高齢者もいます。小児科を標榜しているところはもっとたくさん診ているでしょう。

予防接種についてようやくおおまかな見通しが発表されましたが、病院として具体的にどのような段取りで進めていったらいいか、まだはっきりしません。10月末からまず医療従事者から始めることになりますが、今のところ2回接種の予定ですし、季節性インフルエンザの接種もありますので、混乱しないようにしていきたいと思います。

ところで、わが家でも長男がA型(ということはまず新型)インフルエンザになりました。9月26日(土)からの発熱なので、10月3日(土)までは自宅の自室で隔離、マスク、手洗い状態でした。20歳前なのでちょっと迷いましたが、抗インフルエンザ剤は使用せず。このあたりは種々のガイドラインで意見の分かれているところです。私も万一に備えて、できるだけマスクをして過ごしました。

その長男が、9月29日(火)朝早く、動悸と胸の違和感を訴えだしたのにはまいりました。肺炎や心筋炎が頭に浮かび、診察と諸検査をしました。結果は特に問題なく、麻黄湯という漢方薬の影響だったようです。医療関係以外の方であれば大変だっただろうな、と思いました。

日本での状況をみている限りは、季節性のインフルエンザとそれほど大きな差はないようですが、なにせ未体験のことであり、慎重に対応したいと思います。
2009年10月 1日

医療

神経内科・リハビリ回診

 今日の午前中は「神経内科・リハビリ回診」。診断や治療方針に困っている入院患者の相談にのる時間で、脳卒中や頭痛、めまい、しびれを持つ患者、神経難病の可能性がある患者が多くを占めますが、リハビリの相談などもあります。

 私の病院には私も含めて神経内科の専門医・指導医資格を持つ医師が3人いますので、お互いに相談したり、診断・治療方針を相互点検したりしていくいい機会になります。1ヶ月毎に交代で地域医療研修に来る京大病院の研修医や本院の研修医もまじえて、いっしょに病歴の確認、実際の診察を行います。

 今日は脳卒中患者やALS(筋萎縮性側索硬化症ー全身の筋力が低下し呼吸筋も冒される難病)が疑われる患者の相談がありました。脳卒中患者ではMRIをどうみるか、治療法をどうするか、リハビリをどうするかが問題になりました。ALS疑い患者は何といっても本当にその診断なのかどうかが最も大切です。ALSを完治させる方法はありませんが、似たような症状を呈していても治すことができる病気があるからです。

 集団で行うことでより確かな診断・治療方針をたてることができます。また若手医師はこうした場面をみながら診療技術を学んでいき、また私たち指導医も自分の知識を高めていくことができるわけです。日々これ勉強です。
2009年9月26日

医療

土曜日の定期往診

 今日は土曜日。この日の定期往診はなかなか大変だ。私の病院に関連する診療所では、自宅で人工呼吸器を装着している患者が9人いる。そのうち8人は筋萎縮側索硬化症という全身の筋力が低下し呼吸筋も冒される難病患者。私が定期往診する第2、4土曜日はこうした患者が3人いる。ほかにも多発性硬化症、多系統萎縮症といった神経難病、てんかん重積状態になる疾患をもつ人が2人など10数人。

 人工呼吸器装着のためのどにあけた穴に入れる気管カニューレ交換、胃瘻の交換、こまめな薬の調節、全身状態把握のための採血など、処置が非常に多くなる。以前であれば長期入院生活を強いられていた患者である。

 患者本人は入院よりも自宅での生活を希望しているが家族にかかる負担は大きい。われわれ医療スタッフだけでなく、介護保険サービスをいっぱい導入し、それでも足りない部分は難病患者については障害者自立支援法に基づくサービスを入れるが、何せサービス提供事業所が足りない。介護保険の支給限度額もあり、それを超える部分はすべて自己負担だ。ある方は制度外の持ち出しに月61万円を支払って、在宅生活を続けている。この方はたまたまお金があるからいいものの、そんな人は例外中の例外。

 個人の尊厳を尊重するのなら、お金の心配をせずに、家族に依存せずに在宅生活を送ることのできる制度を確立すべきだと思う。
2009年9月24日

医療

今日は3人の新たな水俣病患者が来院されました

今日の午前の私の仕事は「神経内科外来」でした。
もの忘れ、頭痛、ふらつき、しびれなど脳や神経の病気を心配する方が来られる外来です。
今日も何人かの新たな患者さんがみえましたが、そのうち3人は水俣病の保健手帳を求めて来院された方でした。頭痛や手足のしびれなどは水俣病の症状ではないかと心配し来院されたのですが、保健手帳があると医療費の自己負担分は補償されます。

50歳代、70歳代の3人姉妹、現住所は実に2人は名古屋、1人は大阪からでした。3人とも水俣病に加えて、片頭痛がありました。手帳の申請のための「検査所見書」を書き、頭痛治療は自宅近くの医療機関で受けるよう指導しました。

上記のサイトでも「認定患者(2,960人)」よりも「1995年の政治解決である医療手帳(10,353人)」や「保健手帳(16,585人)」が多いことが分かります。行政認定と司法認定が異なる水俣病の不幸がよく分かる数字です。

水銀に汚染された魚介類を多食した人たちが特徴的な症状を呈している、医学の常識からみるとどう考えても水俣病なのですが・・・。
2009年9月21日

医療

水俣病検診のために天草へ行ってきました

9月20日〜21日まで水俣病検診が行われました。今年の7月8日に成立した「水俣病特別措置法」の問題点を実証し、現在水俣病で苦しんでいる患者を掘り起こし、「水俣病は終わっていない」ことを広くアピールすることが目的でした。

水俣診察風景01.jpg
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