健康格差って何? こう思われる方も多いと思います。
構造改革路線により、格差の拡大、貧困の増加が問題になっています。「格差があって何が悪い」と言ったのが、小泉元首相です。
格差については、いろいろな考え方はあるでしょうが、タイトルの「健康格差社会を生き抜く(朝日新書)」は、所得格差が「健康格差」「いのちの格差」になっている事実を示し、そのことが許されることなのかを問うています。
著者の近藤克則医師は、私が東大でリハビリテーションを学んでいるときに一緒に勉強した医師です。今は日本福祉大学の教授になり、臨床医としても仕事をしながら、社会疫学の分野で日本のトップクラスの研究をしている、この分野では知らない人のいない研究者でもあります。氏は「健康格差社会ー何が心と健康を蝕むのか(医学書院)」、「検証『健康格差社会』ー介護予防に向けた社会疫学的大規模調査(医学書院)」などの学術書を書いていますが、この本は一般向けに、さらに新知見もまじえて書かれています。
ついでながら、「脳卒中リハビリテーション第2版 早期リハからケアマネジメントまで(医歯薬出版)」は、氏と一緒に私たち民医連の医師が編集した本で、今もよく売れています。私も編者の一人です。
「健康格差」についてインターネットで検索すると、山ほど情報が出てきます。WHOは1998年に「健康の社会的決定要因(Solid Facts)」という報告書を出し、2003年には第2版が出されています。例えば、「社会階層が低いほど(所得がすくないほど)、寿命が短く、病気は多い」
日本ではあまり言われていないのですが、ヨーロッパではこの1998年頃から、健康格差削減の目標を掲げ、健康政策、医療政策にとどまらず、労働政策、教育政策、公共交通のあり方、税制、所得保障などさまざまな評価や政策検討がなされています。
この本には、格差の大きな社会ほど絆(きずな)=「ご近所の底力」が損なわれることなども書かれています。つまり構造改革で格差を広げたことが、ご近所の底力を低下させたわけです。現知事は地域力や絆を強調されますが、構造改革で絆をつぶしながら、一方で絆を強調するのは「マッチポンプ」だと思うのです。
是非みなさんに読んでいただきたい本です。消費税込みで819円です。
これが、森乃石松さんの「期待すること」に対するご返事になるかもしれません。









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