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2010年12月10日

院長日記

リハビリテーション機能評価が終わりました

私の病院は、昨年11月に病院機能評価再受審を終えました

病院機能評価は日本の中でかなり位置づいており、本年115日付けで、日本にある8708病院中2550病院が認定されています。

認定病院は、さらに付加機能と言われる「救急医療機能」、「リハビリテーション機能」、「緩和ケア機能」を受審できます。今回私たちはリハビリテーション機能評価を受けたわけです。

こちらはまだ30数病院しか認定されておらず、京都で認定されている病院はありません。

私の病院はリハビリテーションに力を入れています。受審は「試験を受ける」ということではなく、第三者からの評価を受けることにより質を高めることが目的です。つまりリハビリテーションの質を高める目的で受審したわけです。

準備のための数ヶ月は、病院の中で受審目的の徹底、評価、問題点の抽出、改善の方策検討、実践、・・・を繰り返しました。特にこの数週間、数日は夜遅くまで関係者で議論し、どうするかを徹底してきました。間違いなく、受審のプロセスを通じて病院の改善を進めてきたと言えます。

率直に言って、病院機能評価について医療関係者の意見は二分されます。積極的に活かすべき、低医療費政策で疲弊している現場に負荷をかけるべきでない、の2つです。

これについての私の意見は同じく2つです。ギリギリ追い詰められている状況であれば別だがそうでなければ受けた方がいい、受審したことが活かせるかどうかはトップの姿勢による。

通るためだけの目的なら受けない方がいい。質の向上=改善が目的であることをトップが示し続け、そのための努力を惜しまないことが大切だと思います。

今回の受審で私の病院の課題が見えてきました。1回で認定されるかどうかは分かりませんが、今日の経験を通して明日から、数ヶ月後の正式な報告を受けて、さらに質の向上に努めたいと思います。

医療機関に対する期待が大きく、政権交代しても低医療費政策が続く時代だからこそ、多くの京都市民・府民、国民に、私たち医療者の心意気を示したいと思うのです。それが、多くの国民の共感を得て、医療費を増やす必要があることを理解してもらう道だと思います。

2010年12月 4日

院長日記

京都国民健康保険(国保)調査

今日124日と明日5日の2日間、国民健康保険(国保)実態調査が行われる。今日は伏見区醍醐、明日は伏見区向島。今日は100人以上の調査員が集まった。目標は5001,000件の調査。家庭訪問し実態調査をするが、私は今日の午前中の参加。

京商連会長あいさつが印象的だった。あの「はやぶさ」製造に関わった従業員20人の中小企業が資金繰で大変。地域の雇用を支えている中小企業がなくなれば地域経済は壊滅的になる。

30項目以上の長いアンケートに答えてくれるだろうか?」というのが私の不安だったが、それは杞憂だった。留守も多く、130分くらいかかるため、午前中に訪問できたのは2軒だけだったが、極めて印象的だった。

1人目は60歳台男性。糖尿病、高血圧など治療中。4人世帯で、30歳台の息子、娘がアルバイト生活のために、主な収入は本人の年金、年200万円以下。これで保険料は20万円を超える。滞納はないが、保険料安くならないか役所へ相談に行った。窓口負担3割もきつい。それはそうだろう。「交際費や遊興費は切り詰めていませんか?」の質問に「ありません」。よく聞くと、そもそも交際や遊興はしていないということ。正確な解釈は「切り詰めている(=そこにお金を使っていない)」だろう。

もう1人、80歳台の元気なおじいさんを訪れた。1人暮らし。後期高齢者医療保険。医療機関にはかかっていない。元警察官。そこそこの年金あり経済的には困っていない回答だったが、今回の訪問をひどく喜んでいた。話し相手がほしい。寂しい。これも1人暮らし高齢者の強い要求だろう。

調査をしなかった世帯(中心は社会保険家族)も、息子が国保なので保険料には強い関心を持っていた。相談窓口の案内は渡すことができた。

他の調査員の状況は分からないが、門真市の調査が国保問題を大きくクローズアップしたように、この調査が政治を動かし、調査に協力していただいた方々の個々の相談に乗り現状を改善することができれば大成功。

そんな思いを持ちながら、午後の予定地へ向かった。

2010年11月28日

院長日記

卒業30年の京大医学部同窓会

5年ぶりの同窓会。参加しながら書いたツイートは以下の通り。


大学の同窓会が始まった。30周年、5年ぶりだ。半分の60人が、参加している。卒業後初めて顔を合わせる人もいる。医師から作家になった李啓充氏もアメリカから参加している。


和歌山医大教授になった医師の話。教育、研究、臨床が大学の仕事だが、医師不足で、地域医療が最も大切な仕事らしい。


30秒スピーチ中。みんなの個性があらわれている。私が話したことは、細かいことは事前の文章に書いていたので、「社会保障の機能する大きな政府を作ろう」の声を一緒にあげよう、ということ。


個性的な話が続く。専門分野で頑張っている者、転換した者、違う道を歩もうとしている者。学生時代はいろいろあったが、なつかしさ、親近感を感じるのは、年齢のせいか。同じ時代を過ごした連帯感は大切にしたい。


言葉は悪いが、学生時代こんなやつ、と思っていた者が、月6回救急当直に入って頑張っている。私の思い込みだったのか、環境が人間を変えたのか、いずれにせよ励まされる。


妻同伴OK。参加した9人はみんな妻にめろめろ。私も同伴ならそんな話をするのだが、切り出すことも難しいくらい苦労をかけている。


いろいろな話はあるが、地域医療で頑張っている医師の話に拍手が多い。みんな真面目だ。


心ある同級生から言われた。アメリカの2大政党制より日本の2大政党制の方がひどい。アメリカは保守対リベラル。日本は保守と保守。日本で保守対リベラル になった時、共産党の役割はきわめて大きい。全く同感。大きな政府、「お互いさま」の社会を目指す人たちの大同団結が求められている。


二次会で語り合い、今散会した。みなこだわりを持って生きている。そんなことを確認できたのが最大の収穫。

http://twitter.com/#!/yusukemonkyoto



2010年11月23日

院長日記

福知山マラソン

2010年11月13日

院長日記

沖縄県知事選挙

2010年10月28日

院長日記

京都民医連学術運動交流集会

今日は京都民医連学術運動交流集会。

記念講演は、都留文化大学後藤道夫教授の「貧困・格差の拡大と医療」。興味深いところを紹介すると、

相対的貧困率の落とし穴は、平均年収が下がっているので年収の中央値も下がり、収入が減っても比率が低く出てしまうこと。

貧困拡大の背景は、失業・雇用保険給付なしの増大、フルタイム・自立生活型非正規増大、低処遇男性の増大、若年雇用の底抜け、半失業の蔓延。どれも納得できる。

注意すべきは、十分な失業保障は、半失業を失業と完全就業に分離すること。この失業率上昇は容認すべきということ。欧州の方が日本より失業率が高いが、十分な失業補償がなされているので、日本よりずっとマシなのだろう。

これまでは大企業を元気にさせれば何とかなったが、90年代後半からそれが破綻した=日本型雇用の破綻。労働市場を作り直す、生活保障を作り上げるしかない。

社会保障需要が増大している。それは、収入を増加させることが必要、中山間地で住めるようにすることが必要、高齢化・女性労働率は上昇している、社会的弱者の処遇向上が必要、個別的ケアの必要性が増大している、ことなどで分かる。

医療、保育、教育は現物給付。介護保険、障害者自立支援法は現金補助方式。今保育は介護保険型へ変えられようとしている。介護保険で埋められた外堀が、保育でさらに埋められる。医療だけ特別がありうるのか? 保育への連帯が必要だろう。

講演を通じて感じたことは総論の大切さ。我々の立ち位置を確認できる。

一方で、今世の中を席巻している閉塞感を考えると、求められるのは、格差縮小、財源確保、経済成長、グローバリゼーション対策。

さらにもう一方で、必要性から社会保障ができてきたのも事実。裏付けになる財源は何とかひねり出してきたのがこれまでの歴史。あれこれ考えすぎず、必要性を発信し続けることも大切。


その他、「現代社会における困難事例へどう向き合うか」、「医療安全に関わる取り組み」、「医療倫理の課題」、「認知症との関わり」、「糖尿病Up-to-date」、「アスベスト被害の現況と課題」、「高齢社会にむけて、京都民医連の挑戦」などのセッション 、一般演題などなど。学術から運動まで、あらためてたいした組織だと思う。ちょっと自画自賛(笑)。

2010年10月25日

院長日記

左京健康友の会まつり

2010年10月17日

院長日記

第2回きょうと中途障害者の会

今日は、717日に続いて第2回きょうと中途障害者の会

精神障害の方の話 強烈な印象を受けました。

自分は強い人間だった。成功体験が多く、何でもできた。失敗は自分のせいだと思っていた。・・・。そして発症。措置入院。・・・。入退院を繰り返し10年かかって受容したと思う。それにより優等生からサヨナラをした。障害を持っていることを堂々と人に言えるようになった。癒えていく過程を感じた。違う価値観を持っていても、お互いに認め合うことが必要だと思う。認めてくれる場所がないのは問題。連帯の力で生きていく・・・。

ドラマを聞いている感じでした。

薬は発症して23年できっちり飲みだした。精神障害の受容に10年かかったが、人により期間は異なるだろう。生活の中で芝居、詩などの楽しみを経験し、生活の再発見をして、受容できたと思う。

私を含めリハビリ関係者は障害の受容という言葉をよく使用しますが、簡単に使うものではない、とあらためて感じました。

こういう会へ、障害を持つ当事者の方がどんどん参加していただくことが、本当の意味で受容を促進することになると思います。

2010年10月 9日

医療

全国国保地域医療学会

50全国国保地域医療学会が、108日〜9日、京都国際会館で行われました。


全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)などが主催し、「国民健康保険診療施設関係者等が参集し、地域医療及び地域包括ケアの実践の方途を探求するとともに、関係者の相互理解と研鑽を図ること」が目的となっています。主に僻地に位置し小規模な病院、診療所が多いこの施設群がどうなるのか、また地域包括ケアを最初から理念に掲げている団体の動きを知りたくて、2日間参加しました。


結論から言えば、地域住民を中心にしながら、志高く地域包括医療・ケアを実践している団体で、背筋が伸びる思いでした。


国保直診開設者サミット「国保直診が輝くために」。地に足をつけて、必要な医療を専門の枠を超えて取り組む医師の姿は大したものです。コメディカルとともに、研修医、医学生を巻き込み、住民参加が意識されています。


規模の大きな病院も、僻地にあるため周辺の診療所や施設と連携しながらアクティブな活動をしています。ここと連携している特別養護老人ホームでは6割を施設で看取っています。こうした報告を聞くと、公立がダメと単純には言えません。トップのリーダーシップが大切だとつくづく思いました。税金を投入し、公を見る目が厳しい時代だからこそ、存在意義が問われています。


シンポジウム「地域連携体制の構築」では、ある病院長が、「高齢化率45パーセントの病院の目的は生活自立障害を持つ方を支える地域の力を向上させること。入院ベッドはそのバックアップ」と断言していました。訪問診療、訪問看護、訪問リハなどに取り組み、地域=コミュニティーづくりを実践していました。


一方で、市町村合併によりこれまでの顔の見える関係がなくなった、病院・診療所も合併を余儀なくされた、経営圧力が厳しいなどのさまざまな苦労がいたるところに出ていました。国の補助金も大幅にカットされそうだということがフロアーでなされていました。先進的取り組みをしているところは、身を粉にしてリスク覚悟で医療・介護現場や市町村を守っている、という印象でした。


僻地医療のやり甲斐は、トータルに予防、医療、介護などに関われること。厳しい時代ですので、覚悟が求められるのはやむを得ないけれど、リスクになるのは本末転倒です。


一般演題も興味深いものが多く、肺炎球菌ワクチンの公的補助で、接種率が14倍に上がった町の報告がありました。やはり予防が一番。来年度予算でワクチンの補助が拡大されると報道されていますが、大いに期待したいところです。


京丹後市には小児科医は2人、1人は勤務医、1人は開業医。うまく連携することで、体制の充実、患者の利便性の向上、経営の改善ができています。こんな良循環を地域の中でつくっていきたいものです。


私の病院でも活かせそうな報告もあり、早速取り入れたいと思います。

私たち民医連は「無差別平等の医療と福祉の実現」をめざし、社会に対する存在意義を持っていると自負していますが、この団体もすごいと思います。ここが掲げる地域包括医療・ケアは理念があり格調高いのですが、国の地域包括ケア研究会報告書」保健サービス(健康づくり)の観点が欠落しやたら財政の話が前面に出ており生臭く息が詰まる、と感じるのは私だけでしょうか?


なお、公立病院改革ガイドライン、公立病院改革プランについて、「それは総務省が考えたことで厚労省とは摺り合わせなし」と厚労省役人が発言したのは印象的でした。


参加しながらのツイッターで30回もつぶやいてしまいました。

http://twitter.com/#!/yusukemonkyoto

2010年9月29日

医療

必要医師数は1.14倍増でいいのでしょうか?

 勤務医1.18万人不足 地域・診療科に偏り 厚労省調査(朝日)


医師2万4千人「不足」、厚労省 初の全国調査、深刻な実態(共同)

全国の医療機関で実際に働く医師数が計約167千人なのに対し、医療機関側はさらに計約24千人が必要と考えていることが28日、厚生労働省が初めて行った「必要医師数実態調査」で分かった。現在の1.14倍の人数が必要で、医師不足の深刻な実態があらためて浮き彫りになった。


これは今日流れたニュースです。これを見て、医師間でいろいろな意見が飛び交いました。

厚労省のホームページには、「病院等における必要医師数実態調査の概要」という本日付の報告書が載っています。


しかしちょっと待ってください。日本の医師数は人口1,000人当たり2.1人と、先進国(OECD30カ国)平均の3.1人の2/3です。ということは、OECD平均に追いつくには1.5倍の医師が必要なはずです。それがなぜ、1.14倍という数字になってしまうのでしょうか?


上記報告書で厚労省は最初に、「・・・厚生労働省が実施した調査としては初めてのものである。なお、本調査の結果は、医療機関から提出された人数をそのまま集計したものである」と述べています。この「医療機関から提出された人数をそのまま集計したもの」がくせ者です。私の病院でもそうでしたが、このアンケートに答える前提は、今の医師の働き方を前提にしてあと何人必要か、です。


しかし「労働基準法違反」が常態化している医療現場を変えるには、抜本的な医師増が必要です。新たに医師免許を取得する医師の1/3は女性医師です。これから子どもを生み育てる人たちが、そんな労働を続けられるとは思えません。またこれからは、男性医師だからそういう労働に耐えられるはず、という時代でもありません。医師労働も、いや人の命をあずかる緊張を強いられる仕事であるからこそ、8時間労働が当たり前の環境を目指すことが必要です。


しかもこれからの日本はかつて経験してことのない高齢社会を迎えます。病気の人が増えるわけです。これらを考慮すると、1.14倍ではとても足りないと思います。


医学部定員を1.5倍にしても、卒業し一人前になるまで少なくとも10数年必要です。それを考えると、定員を増やしつつ、今働く医師にできるだけ負担のかからない環境を整え、いわゆる「地域偏在」を是正し、定年を迎える医師にも無理のない範囲で仕事をしてもらい、・・・。

やるべきことはたくさんあります。少なくとも、今回の調査で医師増員を1.14倍に「値切る」ようなことのないようにしてほしいと思います。

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