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2010年9月20日

院長日記

丹後100kmマラソン完走しました

2010年9月15日

医療

地域医療支援センター

 8月の話になりますが、厚生労働省は医師不足に悩む病院に医師を派遣する「地域医療支援センター」(仮称)を各都道府県に設置する構想をまとめた、と報道されています。


 特別枠での要望なので、どうなるかは分からないのですが、医師不足・医療崩壊に対する方法として注目したいと思います。


 具体化にあたり、最近の医療界の情報誌に興味深い記事が載っていました。


週刊医学界新聞

へき地で学ぶ、へき地を支える<前編>研修医を受け入れる


 愛知県へき地医療対策協議会で・・・僻地医療研修については,・・・定員オーバーで応募人数の7割程度にまで絞り込む必要がありました。

 なぜ定員を上回る希望者が出るのでしょうか。僻地のほうが指導医とマンツーマンで濃密な教育が受けられ,人数が少ないために貴重なマンパワーとして責任ある仕事に臨めることにやりがいを感じられるからです。

 地域で研修医を育てるプログラムが成功した要因は,大きく分けて3つあります。まずは研修医を指導できる人材がいることです(指導医の存在)。

・・・

 次にアイデアです。私たちは各地で実践されている地域医療での研修事例を分析し,愛知県の地理的,経済的,地域などの特性に合ったエッセンスを取り出してプログラムに反映させました(地域を活かす)。

・・・

 最後は自治体、特に地域医療は市町村をまたいだ問題なので,都道府県が積極的に関与する必要があります。・・・医療側がいくら提言しても,実際に制度を管理するのは行政ですから。指導力のある人材をそろえるとともに,行政に働きかけることも重要です(都道府県の役割)。

 以上の3点のうち,1つでも欠けていれば愛知県のへき地医療支援機構の事業はスタートすることすら困難だったかもしれません。


MT Pro

地域医療充実のための臨床研修改革に取り組んで


「奈良県臨床研修ワーキンググループ(WG)」・・・

 県の武末文男医療政策部長にもコアメンバーに加わっていただき,実際の臨床研修に現場でかかわっている立場と,地域医療を統括する行政の立場から十分に意見交換できるようにしました。・・・

 奈良県は医療改革に着手しており,臨床研修WGは○○部長のご尽力もあり,行政と良好に協調しながら活動を進めています。・・・

 各病院はもはや自院のフルマッチだけでなく,奈良県全体のフルマッチを意識して動いていただけるようになりました。・・・

 地域医療の維持という観点から臨床研修をとらえるとともに,地域全体で医師を育てていく環境を構築したいと考えています。


 上記の記事から言えることは、1)指導医の存在、2)地域を活かす、3)行政とりわけ都道府県の役割が大切、ということです。

 予算をつけることは大前提としても、医師不足・医療崩壊問題に対する対策が成功するかどうかは、都道府県が本気になってやるかが決定的だと痛感しました。

 京都府にも医療対策協議会がありますが、上記3点を意識して地域医療をどうするか、医師養成をどうするか、まともに論議した形跡はありません。

2010年9月11日

院長日記

京都革新懇

京都革新懇第4回交流集会へ参加してきました。


地域、青年などの分野からの報告をもとに、パネルディスカッションが行われ、私もパネラーとして参加しました。


私は知事選挙で感じた、1)都市部と地方の差、2)公(おおやけ)の役割の重要性、3)民医連の活動を報告しました。


1)都市部では貧困問題などがあるが、地方では役場、農協、学校の統廃合、農林漁業の衰退で人が住めなくなっている。一方で、都市部は地方の農林漁業がライフライン。必ずやってくる食糧危機、木材危機を考えると、都市部と地方の共生が大切。

2)昨年新型インフルエンザがやってきたとき、京都市立病院が発熱外来へすべての患者を送って構わない、と医師会メーリングリストで流していただいたことが救いだった。これで風評被害にあい、市立病院は1億円の減収になったが、民間病院であればそれに耐えられない。1億円の補填は税金の使い道としてまっとうだ。今後本格的な強毒性のインフルエンザがやってきたとき、京都府は発熱外来を増やす方針らしいが、可能なのか? 予想される医療機関の被害に対する補償をどうするつもりであろうか? いざとなれば民間病院も医療という公的な仕事をしているわけなので取り組む覚悟があるが、つぶれるわけにはいかない。

3)知事選挙で、民医連への医療活動への確信、職員の成長、医療機能評価で再認定、経営改善とすべて進んだ。相乗効果があった。


民医連では、秋の運動として地域の方々と、「後期高齢者医療制度廃止」、「国民健康保険を守る」、「消費税なしで財源はできる」の取り組みを行います。私なりの解釈では、これらに共通する精神は、将来不安をなくすということです。

将来不安をなくすことと、格差縮小、労働者の賃金保証が内需拡大、日本経済回復の最大のカギだと思います。


予定されていた小池晃氏が急遽来られなくなり、緒方靖夫氏が講演。外国語が堪能なだけあって、イスラム問題で聴衆をつかみ、中南米で起こっている選挙を通じた政権交代の話へと進む。新自由主義、アメリカからの自立。


世界の流れは、「国連憲章の原則を守れ」、「異なる価値観を認める」、「盟主を求めず自主性を重んじる」こと。


欧州から見た日本は「元気がない」。アジアといえば、韓国、中国、インドらしい。


欧州の社会保障は、運動で勝ち取ったものであり、うらやましがるだけではダメ。その後、日立で一回残業を断っただけで解雇された人の話へ進んだ。最高裁で敗訴したが、国際的に問題にすることで、解決をした。「理不尽には、運動を続けることで取り組むことが大切」とのまとめは、極めて納得できるものでした。


夜の他の勉強会を含めて、今日は過去最大の22回のツイートを行いました。

http://twitter.com/yusukemonkyoto

2010年9月 5日

院長日記

競争よりプロ意識

私の同級生で、アメリカで活躍している医師がいます。その医師が、ある紙面に興味深いことを書いています。


アメリカでは「医療にも市場原理を導入せよ」という主張が強力です。「手術死亡率を公表する→手術を受ける際、患者は死亡率が少ない病院を選ぶようになる→患者が減ると困るので死亡率の高い病院は死亡率を下げる努力をする→どこの病院も死亡率が下がるので、国(あるいは地域)全体の死亡率が下がる」


しかし、死亡率を下げるための一番手っ取り早い方法は、重症患者あるいは(重い糖尿病などの合併症を持つ)難しい患者を避けることです。成績を上げるために患者を選り好みする」という悪しき行為が蔓延する危険があるわけです。


それに対し、手術成績を上げるために互いに知恵を絞り合うことを試みたところ25%の死亡率減少効果がみられたとのことです。病院を巡回してそれぞれの手術を見学。術式の細かな違いに始まって、術前準備や補助療法の相違まで「なぜ君の病院ではそんなことをしているのか?」と、ざっくばらんに意見を交換しあった後、よいと思われることすべてを全病院で取り入れた成果が25%の死亡率減少だったわけです。


競争ではなく協力し合うことで地域全体の医療の質を高めることを示しているわけですが、これはアメリカだけの話ではありません。私の勤務する京都市左京区でも、頻繁に勉強会や情報交換を行っています。それが結果として各医療機関、介護事業所のレベルアップ、そして地域全体のレベルアップに繋がっているのです。それがプロというものだと思います。


もっともなお「成果主義」が蔓延しているのがアメリカなのですが、さて日本はどこへ向かうべきなのでしょうか?

2010年8月28日

政策

関西広域連合

今日の朝日新聞、読売新聞などで取り上げられていました。27日の関西広域機構の会議で、2府5県(大阪、兵庫、京都、滋賀、和歌山、鳥取、徳島)の知事が、それぞれの議会に規約案の提案を目指すことを確認した、とのことです。


釈然としないのは、記事を読み、機構のホームページや京都府のホームページを読んでも、そのメリットが充分理解できないからです。


国の出先機関からの権限委譲の受け皿になる。

防災、観光、産業振興、医療、環境保全、資格試験などの事業を共同化することで、効率的に運営できる。

・・・


医療で言えば、ドクターヘリの広域運航、救急医療連携計画の策定などですが、これらは広域連合をつくらなくても、連携だけでやれますし、その方が実際的でしょう。

ちなみに、京都府のパンフレットでドクターヘリの宣伝をさかんにしています。ドクターヘリは重要な取り組みですが、頻度でいえば府県境の現場で頻繁に生じている問題は、府県をまたがる救急車の搬送や患者の行き来です。府県と広域連合は二重行政にならない、ということになっていますが、特にこうした2つの府県間の問題は広域連合では検討課題にはならず、地道な連携でしか解決できないのではないでしょうか?


仮に広域連合ができても、結局府県と広域連合のどちらで扱うのか困る例は多いと思います。

実際、屋上屋(おくじょうおく)になると奈良県は参加を見合わせています。屋上屋になれば、かえってコストがかかるだけです。

道府県をなくす道州制とは違う、となっていますが、橋下大阪府知事は明確にそれを目指しています。これは周辺が切りすてられた市町村合併の都道府県版です。


この問題がどのように推移するのか、9月議会は目が離せません。

2010年8月21日

院長日記

美山町芦生

昨日から1泊2日の夏休み、子どもと一緒に行ってきました。

ツイッター中継でもしようかと思いきや、いきなり「圏外」。そのため、ひたすら自然と戯れることにしました。


まずは芦生研究林。「芦生原生林」と言った方が聞き慣れている人が多いと思います。


案内をしていただいた方の解説のおかげで、その貴重さがよく分かりました。日本海型と太平洋型の移行帯に位置し、植生区分の上からも暖温帯林と冷温帯林の移行帯に当たる(標高600を境に移行)ため、植物の種類が多いとのこと。全面積(約4,200ha)の約半分は人手が加えられていない天然林。この天然林の中には、森林の成立以降大きな人為が殆ど加わっていないと考えられる原生的な部分も含まれています。


第一印象は「もののけ姫」の「シシ神の森」。虫除けに長袖で歩きましたが、林の中はあまり暑さを感じさせませんでした。


人工林の杉林もあるのですが、ブナ、トチノキなどが目立ち、普通の森林とは違います。以前は下草が多く、進むのが大変だったそうですが、最近はシカの増加で草が食べ尽くされ、生えているのはトリカブトをはじめシカが食べない草だけ。増えているだけあって、シカには何回か出会いました。歩きやすくはなっていますが、草がなくなる→そこに隠れていた小動物が減る→・・・で生態系が変わってきているとのことです。ちょっと心配。


宿泊は芦生山の家10年前に美山町が建てなおしたものです。

おかげできれいな建物で過ごしやすさは抜群でした。館長の用意してくれた地鶏すき焼きは、地元でとれた野菜たっぷり。椎茸嫌いの次男もしっかり食べていました。

子どもより早く寝てしまい、睡眠時間は9時間。すっきりした目覚めで、涼しい早朝に散歩ができました。


朝食後は、ちしゃの木庵で鮎取りに参加させていただきました。

庵主に教わったのはちょん掛けというやり方でしょう。竿の先に釣り針をつけ、鮎を引っかけるやり方です。水中眼鏡にシュノーケルで川に入ります。鮎はたくさんいるのですが、動きは素早くなかなか引っかけられません。やっと引っかかったと思ったら逃げられてしまいました。長女は見事に1匹ゲット。父親の威信にかけて・・・、でも捕まりません。段々体が重くなっていくのを感じました。体が冷たく唇は真っ青。芦生といえども日中は30度を超える暑さ。それが心地よく感じるほど体が冷え切っていたようです。粘って鮎を捕まえようとする次男にあきれながら、長女とコーヒーを飲みました。昼食は鮎の塩焼きとカレー。おいしくいただきお腹はいっぱい。心地よい疲れを感じながら、芦生を離れました。


美山町を西へ車で移動していると、携帯が鳴り出し、圏外を脱出したことが分かりました。シシ神の森から里山へ帰ってきた気分。大野ダムへちょっと足をのばし、その後京北町、北区を経由し、人工林である北山杉を見ながら帰宅しました。

2010年8月14日

院長日記

佐村河内守(さむらごうち まもる)交響曲第一番"HIROSHIMA"

今日の午後は、佐村河内守「交響曲第一番」演奏会を聞きに行きました。「核兵器のない世界を子どもたちに」というのが氏の思いです。


2008年「G8議長サミット記念コンサート」で、2010年4月東京で、第1楽章、第3楽章は演奏されましたが、第2楽章を含めたすべてを演奏するのは初めてだそうです。妻、長女と一緒に聞きました。


私「各楽章はどう違うんだろう?」

妻「第3楽章でやっと明かりが見えるんじゃない」

私「第2楽章も最後に鐘が鳴って明かりがあったのでは?」

妻「う〜〜ん」


先ほどNHKが、今日の演奏会について報道していましたが、妻の受け止めが正しかったようです。


私が感動したのは、演奏もそうですが、それ以上に演奏終了後の佐村河内氏の言葉でした。普通の演奏会で聞かれない「核廃絶への思い」を真っ直ぐに話しておられました。「被爆二世の使命」、使命という言葉に感動しました。


核廃絶というと、感情と理性で進めるべき、という意見が必ず出てきます。今日の演奏会は感情に訴える企画ということになりますが、一方で理性は「現実的」「現実追認」になりがちです。感情に裏打ちされた理性が求められています。今年の広島原爆の日の秋葉忠利市長の平和宣言はその原型だと思います。


非核三原則の法制化、「検討したい」と述べた菅首相の動向はきっちりと見守りたいと思います。

2010年8月 9日

院長日記

今日は、長崎原爆の日

長崎原爆の日は、核保有国のイギリス、フランスの代表や、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長が初めて列席して行われました。田上師長が求めた非核三原則の法制化に対して、菅首相も記者会見で「検討したい」と述べたと報じられています。その動向を大いに注目したいと思います。


アメリカの代表が参加しなかったことについて失望の声はありますが、86日の広島原爆の日は、国連事務総長や核兵器を落としたアメリカをはじめ、イギリス、フランスの代表が参加したことなど、今年は歴史的な年だと思います。


ツイッターで初めてリツイートしました。

「広島の平和記念式典に核保有国の代表、国連事務総長などが初参加しているのを見ると、これまで広島、長崎を中心にして原水爆禁止の運動を絶やさず続けてきた人々の営みの重要性を改めて思う。 」というつぶやきに対してです。


ついでに88日のサンデーモーニングを見ながら、被爆者でもある張本元プロ野球選手の「広島の原爆記念館へ来てください。涙なしで見られません」というコメントには、私自身がつぶやきました。「あっぱれ」


各国の思惑はあるにせよ、核なき世界へ、「継続は力なり」を実感します。


継続と言えば、5年ごとに継続している反核平和マラソン、無事に東京から長崎まで到着したようです。

おめでとうございます。そしてこれからも継続を。

2010年8月 2日

院長日記

東京〜広島〜長崎 反核平和マラソン

2010年7月31日

医療

府県境(さかい)の医療

3日間、京都府近くの奈良県にある私立病院を見学、懇談してきました。

患者は6割が奈良県、4割が京都府だそうです。周囲の医療機関とどのような連携をすべきか、奈良県だけでなく、京都府南部の唯一の公的総合病院である公立山城病院とも連携しているとのことでした。


公的病院と私立病院の役割分担、連携のあり方、とりわけ府県をまたがる役割分担は医師不足の日本において極めて重要な課題です。公的病院の役割は、不採算だが重要な政策医療、各医療圏における連携の要(かなめ)だと考えます。


歴史的な経過もあり、日本の病院の8割は私立病院。私の病院も私立病院ですが、私立と言えども公的な仕事をしているという自負があるのがあらゆる病院の思いでしょう。それだけに統廃合、民間委譲と大変な環境にある公的病院の存在意義が問われる時代だと思います。


公の役割は公の存在意義を分かりやすく市民、府民に示してこそ理解されます。今ほどそうした広報が求められる時代はありません。理解を得ながら、市民、府民を味方につけることが大切です。「官から民へ」は格差拡大の構造改革路線そのものだったわけで、その道を突き進むことは、官も民も不幸になります。


ところで、府県境をなくすのが道州制広域連合という声が聞こえてきそうですが、これは府県の共同で十分にできます。道州制、広域連合にしても、その境の連携をどうするかという問題は残るのですから。


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