門ゆうすけの医療政策(案)府民、医療関係者のみなさまへ ─私の医療に対する考えと決意
 私は7月2日の京都府知事選挙への立候補表明以来、北部から南部まで京都府内の医療・介護施設を訪問し、200人を超える医療・介護従事者と懇談してきました。その中で、多くの方が必死になって地域の医療・介護体制を守りながら、たくさんの危機感を募らせておられることが明らかになりました。

「医療と教育は日本の2大基幹産業。これがおかしくなってきている」
「医療崩壊の解決は、大学任せではダメ。行政のリードが必要」
「救急は開業医も参加している。さらに一次、二次、三次の整備を」
「医療だけではダメ。医師が住みたいと思う魅力的なまちづくりが大切」
「もっと地域住民の参加を」
「医療と介護の連携が必要」

 この間の懇談などで出された意見の一部です。
 私は、綾部市での6年間の診療経験を通じて、どこに住んでいてもいのちが平等に扱われ、救えるいのちが救えない事態があってはならない。そのために、京都府としてやるべきこと、国に働きかけていく課題はたくさんあると痛感しました。みなさま方のご意見をいただきながら、「医療政策」を完成させていきたいと思います。

 私の医療・介護に対する考えは、医療は無料が基本、介護については「高福祉・応分の負担(必要な福祉・能力に応じた負担)」を原則にすべきということです。
 この間進められてきた市場原理、競争至上主義の構造改革路線により格差と貧困、地方の疲弊が進行しました。毎年社会保障費が2,200億円削減され、保険証を取り上げられた人、窓口負担が払えない人が増えています。医療・介護だけでなく、まちづくりをはじめ、構造改革によりもたらされたあらゆる領域のたて直しが必要です。
門ゆうすけ 医療マニフェスト キーワード
京都府の医療を再生します
 8月の総選挙で政権が交代し、国の政治が変わりつつありますが、まだ本当に暮らしをよくする、将来不安をなくしていく方向に向かっているとは言えません。来年度の診療報酬をめぐる議論も錯綜し、医療費を対GDP比で先進国並みにする目標からはほど遠い現状です。後期高齢者医療制度廃止も先送りされたままです。
 診療報酬は、病院も診療所も全体の底上げが必要です。また高齢社会を支えるためには、医療とともに施設も在宅も介護サービスの充実が必要です。これが経済・雇用の活性化にもつながります。
 2004年から始まった新臨床研修制度により医師の流れが変わりました。「医療崩壊」を建てなおすための医師養成・医師派遣については、大学病院だけに任せるのではなく、京都のあらゆる医療者の力をあわせて「オール京都」で取り組むことが必要です。そのためには行政・京都府知事の果たす役割、リーダーシップは決定的に重要です。また地域住民、コメディカルスタッフや介護従事者との共同も大切です。
 「どこに住んでもいのちは平等」を実現する、こうした政策により、京都府民の中で公(おおやけ)に対する信頼を回復させ、京都府医師会をはじめ医療関係者への理解を広げていきたいと思います。
「府民に温かい医療」を実現
 京都府の各地で、「医師確保は府立医大まかせ」「公立病院の廃止・縮小」が起こっています。一方、府民の受診については、「高い保険料や窓口負担金」「資格証明書や短期証の発行」「誰に相談したらよいのかわからない」などの事態が放置されています。
 「京都府がリーダーシップを取ってこなかった」これまでの医療から、府民が「身近に感じる温かい医療」へと転換を行います。
「どこに住んでもいのちは平等」の実現
 医師不足による与謝の海病院脳神経外科問題では、あらためて「いのちの平等」が問われました。とりわけ京都市以外では、産婦人科や小児科をはじめとする医師体制が弱まり、「医療格差」が起こっています。医療過疎の地域も放置されています。府内のどこの地域に住もうとも等しく医療が提供される体制作りは待ったなしの課題です。
「地域包括ケア(健康なまちづくり)」のネットワーク
 医療体制を充実し、府民の健康を守るきめ細かなネットワーク、保健・医療・福祉が連携した「地域包括ケア」の仕組みを作ります。町内会・学区単位で支えあい、医療機関や保健所、地域包括支援センター、福祉事務所等が一体となって地域の高齢者や子ども、障がい者を守ること。声をかけあい、なんでも相談できる窓口を充実させること。保健予防に地域ぐるみで取り組むことなど、目に見える「地域包括ケア(健康なまちづくり)」体制を作ります。
「オール京都」で医師養成・医師派遣を
 2004 年度の新臨床研修制度の開始以来、大学病院以外で初期研修を始める医師が多くなりました。これまでの京都府は、医師派遣を「府立医大まかせ」にしてきましたが、その基盤が崩れています。大学病院だけでなく、京都府医師会、公的病院、民間病院、開業医等の医療関係者が協力し、「オール京都」で医師養成・医師派遣に取り組むことが求められます。また医師派遣は、命令や自己犠牲で行うものではありません。特に若手医師には研修条件の整備が不可欠です。魅力ある病院づくり、指導医体制の充実が必要です。京都府全体および地域ごとの医療提供体制を分析し、住民の健康を守る体制を作ります。地域の医療連携、医学教育に対しても積極的に支援します。
可能な限り「応益負担」を「応能負担」に
 ヨーロッパの先進諸国では「医療は無料」が基本です。国に求めつつ、京都府としてできることを段階的に行っていきます。
 あらゆる医療問題の解決には、住民参加が不可欠です。地域住民からの医療要求をしっかり受けとめるとともに、病院や診療所の現状、各地域で生じている「医療崩壊」の現状を伝え、医療者と地域住民の相互理解を深めることを通じ「コンビニ受診」等の問題解決をはかります。
門ゆうすけ医療マニフェスト 府政転換1
府民のいのちを守るためにまず、行うこと
1、子どもの医療費、妊婦健診の「無料化」をはかります。
● 小学校を卒業するまでの子どもの医療費を「無料(窓口負担200 円)」にします。
● 市町村と協力し、妊婦健診の自己負担をなくします。
2、高齢者の窓口負担の軽減をはかります。
● 65 歳以上の京都府老人医療費助成事業を堅持します。
● 今後、75 歳以上の医療費負担無料化を段階的に進めていきます。
3、「 早期受診」でこそ重症化を防ぐことができます。市町村と協力して、すべての府民が安心して医療を受けられるようにします。
● 受診抑制につながる資格証明書や短期保険証の交付は行いません。
● 無保険者をなくします。
● 公立病院をはじめ無料低額診療事業を行う医療機関を拡大します。
低所得者など生活困難な方を対象に自己負担分又は医療費の全額を無料あるいは、減額する制度
4、国民健康保険制度は
「健康といのちを守るセーフティネット」です。
● 市町村と協力し、保険料減免制度の拡充、一部負担金減免の活用などで医療費の負担を軽減します。
● 「 地方税機構」による国保料(税)徴収は見直します。
5、救急医療や小児・産科等を受け入れる「輪番制」を確立します。
● 救急患者用ベッド確保などに必要な医療機関への助成を増やします。
● 地域の病院・開業医等の夜間・休日診療「輪番ネットワーク」の構築・強化で、地域住民、医療機関に見える連携体制を作ります。
6、健康増進、予防に必要な費用負担を軽減します。
● 予防を重視する立場から、国に対してワクチンの拡大、無料化を求めつつ、京都府として、ヒブワクチン、「新型インフルエンザ」ワクチン接種費用などの負担を軽減します。
7、廃止された「難病患者療養見舞金」、「小児慢性特定疾患患者療養見舞金」を復活します。
門ゆうすけ医療マニフェスト 府政転換2
4年間でめざす
京都府の医療改革
1、府民のいのちを守るため、「医療格差」の是正へ。
● 府北部地域と南部地域に救命・救急医療の整備をはかり、府民がどこに住もうとも「いのちの重みに格差はない」体制を作ります。府県をまたがる医療連携がスムーズに行えるように努めます。
● 「オール京都」の医療人の力で医師確保を行い、府内一円の医療提供体制を作ります。
● 府立与謝の海病院は北部の基幹病院として医療機能を充実させます。
● 公立山城病院は南部の基幹病院として医療機能を充実させます。
2、「 医師不足」を解決し、府内の「医療崩壊」の解消へ。
● 「医師不足」は義務的配置ではなく、医療人として働き続けられる環境づくりが求められます。へき地医療や救急医療、産科・小児科等に熱意を持っている多くの医師を「燃え尽き、疲弊した事態」に放置してきたことが「医師不足」の原因です。
● 開業医と病院、病院間の連携を強化し、地域で完結する医療体制の構築をめざします。
● 医師を成長させる指導体制と研修保障、子育て環境の整備をはかります。また、患者後送体制ネットワークの確立をはかります。
● 「医師を育て、医療機関を守る」ため、地域の病院、開業医、医師会、患者・住民と行政が参加し、地域の声が反映できる「医療協議会」を京都府のイニシアチブですすめます。医学生の参加も検討します。
3、安心して、地域・在宅で過ごせる医療体制を作ります。
● 療養病床の確保、入退院の開業医との連携、往診や訪問看護など、地域ごとのネットワークを整備します。
● 隙間のない訪問看護ステーションを配置します。
4、府民みんなが、日常の健康を守る取り組みに参加できるネットワークを作ります。
● 7 カ所に再編・縮小された保健所を検証・見直し拡充します。保健師など職員の増員を行い、感染症対策をはじめ、地域の保健センターと連携し、きめ細かな公衆衛生体制を作ります。
● 障がい者や難病患者、結核患者などにとって「身近な相談できる保健所機能」は欠かせません。また、住民対象の健康診査など市町村の役割は重要です。身近な市町村が行う公衆衛生や保健予防活動、健康づくりを積極的に行います。
● 増加する認知症や精神疾患の方の医療、相談体制を充実させます。
5、国民健康保険制度を守ります。
● 国民健康保険制度は、住民に身近な市町村が保健予防や医療費給付を行う大切な制度です。この間の国民健康保険制度の困難は、国が国庫負担金を減らしたこと、無職や低所得者の方の加入者が増えたことから生じています。解決のために、何より国の国庫負担金を増やすことを求めます。
● 京都府が進めようとしている「国保一元化」は、憲法25 条で規定された国の責任をあいまいにするものです。診療報酬の裁量権を都道府県に認めさせることも求めていますが、都道府県格差を生むものであり、中止します。
6、介護施設を増やすとともに、介護保険を使いやすいものにします。
● 今後の高齢社会を安心して迎えられるようにするために、施設も在宅も充実が必要です。特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設を増やします。
● 介護保険は本来「介護の社会化」を目的につくられたものです。しかし、制度の改悪や規制により利用しにくくなっています。「ヘルパーの散歩同行」を認めるなど、実情に合った京都府の基準に改善します。
門ゆうすけ医療マニフェスト 府政転換3
国に働きかけて、
医療・福祉政策の改善を
1、後期高齢者医療制度のすみやかな廃止を求めます。
● 高齢者を年齢で区切る「保険制度」は保険料負担増と受診抑制がねらいです。ただちに廃止を求めます。
● 廃止に伴う保険料軽減や国保財政への助成など、国が責任を持って行うよう求めます。
● 国の制度として、高齢者の医療費無料化を求めていきます。
2、「 障害者自立支援法」の廃止、生活保護「老齢加算」の復活を求めます。復活した「母子加算」を2010年度以後も継続するよう求めます。
● 「応益負担」から「応能負担」への転換をはかります。障がい者の権利と生活を守る「障害者福祉法(仮称)」の制定を求めます。
● 憲法25条が生かされる社会のため、生活保護「老齢加算」の復活を求めます。
3、「医療崩壊」は、社会保障費削減政策により作りだされたものです。この転換を求め、医療の再生をめざします。
● 医療費の削減を目的にした「医療費適正化計画」や「療養病床削減」は抜本的に見直し、いのちと健康を守る「医療政策」を作ります。
● 診療報酬の大幅引き上げを求めます。
● 出産時一時金の引き上げを求めます。
● 医学部定員の拡大、指導医体制の充実などで、医師不足の解消を求めます。
4、国が責任を持って、社会保障・医療への財政投入を抜本的に増やすことです。
● 医療分野への財政投入を「削減ありき」から「抜本的に増加」へと根本的な転換で府民のいのちを守ります。早急に医療費の対GDP 比をOECD 加盟国平均まで引き上げるよう求めます。
5、ヨーロッパの先進諸国並みに「医療は無料」を求めます。
6、介護保険は「応益負担」ではなく「応能負担」が原則となるよう求めます。
7、社会保障基本法(仮称)の制定を求めます。
ご意見募集 みなさんからのご意見・ご質問を募集しています。
京都の医療を再生するために、たくさんのご意見をお待ちしています。  私は、日夜、患者さんの医療に携わっている者として、京都府の医療の在り方についてみなさま方のお知恵とお力をお借りして、この政策を豊かにできればと考えています。
 ぜひ、お目通しいただき、ご意見等をお寄せくださいますよう重ねてお願い申し上げます。